プロが教える!タイヤ選び規格やサイズの見方

自動車のタイヤ交換は皆さんどうされていますか?

・ディーラーや車屋さんに任せっきり

・量販店の安い物を購入している

・サイズだけ見てネットで購入している

 

など、上記の方が大半ではないでしょうか?

 

もちろん、信用している車屋さんなどで取替しているというのは間違っていません。

タイヤというのは、ブレーキと同様にとても重要な部品です。

ブレーキが効いてもタイヤが劣化していると本来回避できる危険も回避できなくなってしまいます。

 

今回は、そんなタイヤの規格や種類など知っておいた方が良い知識などを紹介したいと思います。

まずは、大きく分けて交換時期・サイズ・規格・種類・メーカーなどがあります。

 

目次

1.タイヤの交換時期

タイヤの交換時期の目安は、 4年〜6年といわれています。

使用状況や管理の仕方、等でまちまちですが、1つの目安はゴムのすり減りを判別する方法があります。

なにも、溝の深さを定規で当てなくても「スリップサイン」というモノがタイヤについています。

type_tire_02

写真のように小さな△マークがあるのがわかるでしょうか?

 

type_tire_03

そこから溝に向かって見ていくと、△マークのとこだけ少し盛り上がっている箇所があるのがわかります。

そこが「スリップサイン」の印です。

大体のタイヤはこのスリップサインがついていますので、この山まですり減ったら「交換時期」といえます。

 

タイヤのタテ溝は3本ほどあるので、その都度スリップサインがありますが、1箇所でもスリップサインにかかっていれば交換した方が良いでしょう。

 

一般の人も知ってさえいれば、凄く簡単に判別できるようになっているので、

そこまですり減ったら交換するという1つの目安になります。

 

他にもタイヤのヒビ割れなんかも劣化具合の分かりやすい判別方法があります。

判別方法は外観ですぐにでもわかるので、タイヤ側面にヒビ割れが見られたら交換をオススメします。

たまに、タイヤの溝があるのにひび割れで交換するのは勿体無いという方がいらっしゃいますが、

ひび割れはゴムの柔軟性がなくなって起こる現象なので、ゴムが固くなり滑りやすくなっている事を表しています。

 

ですので、安全面では交換を推奨されているのです。

type_tire_04

2.タイヤサイズの見方

タイヤというのはまずホイールと密接に関係しており、ホイールによって取り付けれるサイズが決まっています。

基本的なタイヤ交換の場合は、今ついているタイヤと同じサイズを買えばよいのですが、

タイヤサイズの基本を少し覚えているとよりよい買い物ができます。

 

タイヤサイズは基本的に世界共通になっていますので、トラックやバン以外は、どの車でも適用してます。

まずはタイヤの側面に書いてある所を見てみましょう。

キャデラックCTSのタイヤ

キャデラックCTSのタイヤ

 

245/45R19

という表記があります。

これが、タイヤのサイズです。

 

量販店さんやタイヤ屋さん等もみんなこれをみています(*^^*)

 

サイズ表記ですが、3つに別れていて

・245  (幅の大きさ)

・45    扁平率(厚みの大きさ)

・R19   インチ(ホイールの大きさ)

となっています。

 

幅に関してですが、245 はミリを示しているので、横幅は245ミリの幅ということになります。

 

扁平率ですが、 45 これは断面の高さ(%)で示しています。

 

インチ   R19 これはラジアル(radial)の19インチという意味です。

殆どがラジアルなので、基本はRの表記になっています。

 

純正サイズはタイヤの外径が決まっており、その外径や・摩擦係数等がカタログの燃費数値にも反映されていて、

これを変更すると、カタログ燃費値や、メーターの若干の誤差が出てきてしまいます。

もちろん、ちゃんとホイールに嵌り、走行に問題のない範囲であればサイズ変更は自由です。

 

今回は例として、トヨタ アクア を参考にしていきたいと思います。

 

アクアの標準サイズは 185/60R15

 

例えば、もう少し乗り心地を良く、直進性を上げたいなと思えば、アクアの純正ホイール15インチの場合は

1. 165/65R15

くらいでまでであれば大きく外径に差を出さずに取付け可能ですし、

 

燃費を犠牲にしても、もう少しコーナーリング重視にしたいなと思えば

2. 225/50R15

なんかも取付ることができると思います。

 

外径で見ると純正サイズが603ミリ

1.のサイズで595ミリ

2.のサイズで606ミリ

15インチのこのサイズだけでもかなり選ぶことは可能で、靴を替えるように車のタイヤも様々です。

 

但し、あくまでも上記は数字上の計算値です。

タイヤ幅が変わるためハンドルを切ると接触する等の障害が発生する場合もあるので、
ホイールやサスペンション・タイヤハウス側の隙間などを現物で必ず確認して下さい。

 

3.タイヤの種類

タイヤといってもサマータイヤはもちろん、スタッドレスタイヤや今ではオールシーズンタイヤなんてものもあります。

 

大まかに種類の解説をしていきたいと思います。

1.サマータイヤ

サマータイヤ

サマータイヤ

これはほとんどの方が標準で装着しているタイヤです。

基本は乾いた路面に1番強く、雨などの濡れた路面でも走れる汎用的なタイヤといえます。

しかし雪道には滅法弱く、少し雪が積もるとすぐに滑ってしまうタイヤなので、冬のシーズンはスタッドレスタイヤに履き替えるのがオーソドックスになっています。

 

2.スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤ

上記に記載されていますが、スタッドレスタイヤは雪道に特化したタイヤで、雪道でも止まれるようにゴムの部分が柔らかく作られています。

乾いた路面でも走行は可能ですが、ゴムが柔らかいので、摩耗が早く、走行音も大きくなってしまいます。

高速道路でも、チェーン規制などもスタッドレスならOKなので、ゲレンデなどに出かけられる方は必須のものです(*^^*)

 

3.オールシーズンタイヤ

名前の通り乾いた路面・濡れた路面・雪道なんかも走行できるオールマイティなタイヤです。

ただ、特化したタイヤに比べるとどうしても劣ってしまう箇所があるため、過激な走りをする人は、「少し物足りない」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、雪がほとんど積もらない平地などは突然の雪にも対応でき、国家規格にも合格しているものは、高速もそのまま走れます。

そのため、スタッドレスタイヤを別で買うより面倒も少なく、置き場所も確保しなくてもいいので、近年人気なタイヤです。

 

4.ランフラットタイヤ

部類はサマータイヤに属すので、機能的には、サマータイヤと同じです。

最近、輸入車に純正装着している車が増えてきましたが、走行中にパンクしても、
しばらくそのまま走りの続けることが可能なタイヤです。

走行できる速度も80Kmまでは可能で、距離も80Kmくらいは走行可能なので、
高速道路での突然のパンクにも停車しなくて済み、安全面ではとてもおすすめなタイヤです。

標準的なサマータイヤとの違いは、サイドウォール(サイドのゴム)の強度が強いので、
乗り心地は硬さを感じる点と、タイヤ自体が高く、タイヤ交換時の工賃もかなり割高となってしまう点です。

 

3.メーカーを選ぶ

 

世界で見るとタイヤメーカーだけで、おおよそ120社前後あると言われていますが、

日本では

・ブリヂストン

・ミシュラン

・ダンロップ

・ヨコハマ

・トーヨー

・グットイヤー

・ピレリー

などが主に日本車で純正採用されているメーカーでしょうか?

 

結構勘違いされている方が多いのですが、

例えばメーカーがブリヂストンだからといって日本で製造しているとは限りません。

もちろん、国内製造している物も一部ありますが、一般的なグレードのタイヤのほとんどは中国・インドネシアなどアジアで製造しています。

よくお客様で、国産タイヤがいいという方がいらっしゃいますが、本当の国内製造タイヤという枠でいうと、金額に結構ビックリされます(笑)

ハイグレードな車やスポーツカー以外は国内製造のタイヤが付いてない車の方がほとんどです・・・。

 

メーカーはどこの物がいいとかというのは、本当に好みの問題で、難しいですが、

ある程度どんな使い方かで絞ることは可能です(*^^*)

 

主に上記のメーカーであれば、安心感という面では名前も浸透していますし、間違いはないと言えますが、
どうしてもブランド名があるだけやはり割高ともいえます。

 

安くていいブランドという・・なんとも都合のいいタイヤがあればもちろんそれに越したことはないですが・・・

知っている方は知っているアジアンタイヤというものなら結構あるので、しっかり探せばお得にタイヤ交換もできます。

 

例えばインドネシアのメーカーでアキレスというメーカーがあります。

日本では靴のメーカーで聞いたことがあると思いますが、

全くの別会社で、日本ではATRという名前で売っています。

あまり有名なメーカーが日本にあると色々とあるのかもしれませんね・・・。

 

安心感でいうとHPで調べれば出てきますが、

有名所でいうとサッカーのマンチェスターなどのスポンサーにもなったことのある企業ですので、

それなりに世界では有名なメーカーかもしれません。

 

他にもネクセン・ケンダなどなど調べると結構あります。

日本人は海外メーカーに億劫になる傾向がありますが、正直、今のアジアンタイヤは良いものも多くなっています。

 

4.タイヤの規格の見方・製造日の見方

日本で販売されているタイヤはほとんどの物が国際規格に合格しているタイヤです。

タイヤの規格に関しては、ある程度知っていたほうが、より安心してタイヤ選びができますので、
よく記載のされている規格や製造日の見方など解説致します。

 

タイヤの大きさの見方は先程解説しましたが、その他にもタイヤには
ロードインデックス(LI値)や製造日・速度記号といわれる物が、タイヤに記載されています。

 

まずロードインデックスとは?

ロードインデックス(荷重指数)は、規定の条件下で、そのタイヤ1本に負荷できる最大負荷能力(最大荷重)を示す数値です。

ロードインデックスは基本的にインチサイズの横に書かれている数値です。

1本あたりの数値になるため単純に全体で表すと下の表×4が車両全体で耐えれる数値となります。

 

ロードインデックス

ロードインデックス

 

上記のタイヤのサイズ表記の後ろに「98W」という数字があります。

この98がいわゆるロードインデックス(LI値)というものです。

上記のものは「98」という表記なので、1本辺り、750Kgまで耐えれることになります。

value

計算するのも大変なので、基本的には同じものをチョイスするのがベターです。

車の重さだけではなく、人や荷物を載せた総重量と関係してきます。

純正装着タイヤは少し余裕を持った設定をされているので数値が上がる分には問題ないですが、
下げることは基本的におすすめはしません。

 

ロードインデックスの規格

ロードインデックスの規格は世界規模でいうと細かく別れており

各規格によって同じロードインデックスでも空気圧が違うため輸入タイヤの場合は特に気をつけなければなりません。

タイヤの規格には「JATMA規格」「ETRTOスタンダード規格」「ETRTOレインフォースド規格」などがあります。

 

JATMA規格 

日本国内のタイヤメーカーが定めた規格になります。国産新車装着タイヤの規格です。

Japan Automobile Tyre Manufacturers Associationの略でジャトマと読みます。

 

基本的には国内メーカーは外側に表記していない場合はありますが、

聞いたことがあるメーカーであれば、おおよそJATMA規格なので一般的な量販店で購入していれば、純正空気圧で問題ありません。

 

ETRTOスタンダード規格 

正確にはECマークといい、ヨーロッパの規格になります。エトルト規格と読みます。

「XL規格」「RFD規格」でないものは、ほとんどがこのETRTOスタンダード規格か同等規格になります。

 

ETRTOレインフォースド規格

「REINFORCED」や「RFD」と刻印があるタイヤはレインフォースド規格のタイヤです。

通常より空気圧を高めに設定する必要があります。

空気圧の設定については下記の、(適正空気圧)をご確認ください。

「XL」や「EXTRA LOAD」のような刻印があるタイヤはエクストラロード規格と言います。

レインフォースド規格と同じ意味です。

 

JATMA規格とETRTO規格では、タイヤの設計が異なるため、ロードインデックスの考え方や、

適正空気圧の設定内容が変わってきます。以下に例を挙げて説明いたします。

 

(例)新車装着サイズが195/65R15 91Hに対して、215/45R17 91W XLにインチアップする場合

195/65R15のJATMA規格のロードインデックスが『91』とします。

 

(適正空気圧)使用例

type_tire_09

上表はJATMA規格のロードインデックス(LI)と空気圧の関係について抜粋したものになります。

今回ロードインデックスは「91」としておりますので、黄緑色の部分をご覧ください。

JATMA規格の場合、ロードインデックス「91」のタイヤに空気圧を「240kPa」で設定すると

1本あたり「615kg」の重さに耐える事ができる、という事を示しています。(負荷能力)

 

次に、下表を見てください。

type_tire_10

 

ETRTOレインフォースド規格のロードインデックス(LI)と空気圧の関係について抜粋したものになります。

今回ロードインデックスは「91」としていますので、黄緑色の部分をご覧ください。

ETRTOレインフォースド規格の場合、ロードインデックス「91」のタイヤに空気圧を「290kPa」で設定すると

1本あたり「615kg」の重さに耐える事ができる、という事を示しています。(負荷能力)

 

ここでお伝えしたい事は、同じロードインデックスでも、同等の負荷能力を得るには規格によって

空気圧の設定を変える必要がある、という事なのです。

規格毎のロードインデックスと空気圧の関係を表にいたしました。

ご参考にされてください。

 

※設定空気圧の求め方としては、まず装着される車両に必要なタイヤの負荷能力を把握し、

次に、取り付けるタイヤの規格とロードインデックスを確認し、

その規格の「ロードインデックスと空気圧の関係表」を見れば、

車両に必要な負荷能力を発揮するために必要な空気圧を知ることができます。

ただし、インチアップされる場合など扁平率の低いタイヤはこれらの表よりも空気圧をかなり高めに設定した方が良い場合もありますのでご注意ください。

 

5.速度記号

速度記号は基本的に過激な走りをする方がよく見た方がいいですが、
本来日本では速度規制があるので、今ついているタイヤの速度記号のもので、問題はないはずですが、一応解説します(*^^*)

先程の「98W」の「W」の方が速度表記となります。

type_tire_11

 

下記の表で見ると時速270kmまでは耐えることができる規格ということになりますが、

value2

日本国内では、そこまで出して走行してはいけませんので、一般的にはそこまでは必要ありませんが、、、、

基本的にはロードインデックスの隣に表記がありますが、タイヤが耐えられる速度を表記した記号になっています。

スポーツカーなんかはここを基準にしたりすることもありますが、普通の人であれば、普通車でもH規格があれば十分といえます。

サーキット走行で楽しみたい方は車のスペックもありますが、Y規格ぐらいでしょうか?

 

6.製造年月日

type_tire_12

上記画像の右下に楕円の丸枠があるのがわかりますでしょうか?

(X4719)という箇所です。

 

ここに記載されているモノがタイヤの製造年月日です。

読み方は 47週19年といった具合です。

製造年は西暦になりますので、2019年

47週は2019年の11月18日から24日までに製造されたことになります。

 

週数まではよくわからないという場合は「2019年47週」といった具合で、検索すればすぐにわかりますので、

どれくらい今のタイヤを使っているか調べてみていただければと思います。

 

終わりに

主にここまでが、よく使う・知っていたほうが良い知識かと思いますが、

本来は、まだまだ規格がやメーカー認証タイヤなどがあります。

メーカーによってタイヤの性能も違い、低燃費に力を入れているメーカー、スポーツ走行に力を入れているメーカー、乗り心地に力を入れているメーカーなど様々です。

同じメーカーでもラインナップはいっぱいですし、選ぶのも大変ですが、予算やスペックなどでまた一味違う走りができるのも事実です。

まずは安全に走行できるように今のタイヤの状態を見てみて下さい。

今まで知らなかった記号がわかると、きっとまた1つ安心感に変わると思います。

 

また、この表記なんだっけ?これなんの意味だったかな?と思ったらまた振り返って見ていただけると幸いです。

 

安全運転で快適なカーライフを送って下さいね(*^^*)

 

よかったらシェアしてね!
目次