車のオイル交換ってなんで必要?エンジンオイルの役割と種類を解説

エンジンオイルアイキャッチ画像

豊田市 車の板金塗装 修理工場ビックハートの内藤です。

車のメンテナンスで良く上がるのが「オイル交換」です。

皆さんはいつもどんなオイルを使っていますか?

  • 量販店の安いものを入れている
  • ディーラーにお任せしている
  • 行きつけの車屋さんに任せている などなど

 

近年では、ハイブリットやクリーンディーゼルなど新たな技術を導入したエンジンも増えており、エンジンオイルでも規格や粘度・メーカーなど様々です。

今回はオイルの中でも一番耳にするエンジンオイルの種類やオイル規格などを紹介していきます。

エンジンオイルとはどんな役割をしているか

エンジンオイル給油中

エンジンオイル給油中

まずは「エンジンオイルとはどんな役割をしているか」から紹介していきましょう。

「オイル交換」というワードについては、車を所有している方は1度は耳にしたことがあると思いますが、どれくらい重要なものかはよくわからない方も少なくありません。

弊社にいらっしゃるお客様も、「オイル交換したことない」という方もいらっしゃるくらいです。

 

なぜ換えないのか聞いてみると、

「換え時がわからない」

「ガソリン入れたら走るから」

など様々な答えが返ってきます。

私達はこういう業界にいるので、当たり前の事のように交換しますが、

気にもしたことがない、車が壊れた事がない方からすると、確かに換える理由がわからないものにお金を出すのは抵抗があるのかもしれません…

 

そこで、今回はエンジンオイルの役割を説明させていただきます。

お客様によく説明する例えは、人間の体の構造と似ているので、エンジンオイルを血液として考えていただければと思います。

  • エンジンは心臓
  • オイルは血液
  • オイルエレメント(フィルター)は腎臓

 

といった具合です。

人間の場合は血管が伸びたり縮んだりすることで、血液の流れる量を調整したり、体温が上がれば汗をかき体温を下げることが可能ですが、

車の場合はそれを代用をする装着が数々ついています。

 

しかし、人間と違い、自分でできないのが「食事」と「排泄」です。

人間の構造はエネルギーを自分で蓄え・エネルギーを血液に載せ体中に運び、余分なものや汚れを汗などから排泄していますよね?

車はオイル(血液)を循環することはできますが、排泄ができないため汚れたオイル(血液)は交換しないとずっと汚れたままということになります。

 

エンジンの温度は100度前後まで上昇したり下降したり、燃料を爆発させるため、スラッジと呼ばれるカスが出てしまいます。

それをフィルター(腎臓)などを通しキレイにしながら循環していくのですが、カスもフィルターに溜まっていくため、定期的にフィルターの交換やオイルの交換をする必要があるのです。

 

そのまま放置すると最悪の場合、(心筋梗塞)エンジンの焼付きなどが起こります。

そうするとエンジンを取替することなり、50万〜100万円くらいの修理費用は覚悟しなければなりません。

 

破損したエンジン

破損したエンジン

エンジンの精度は0.05ミリ前後の精度で作られているので、本来ならいつ壊れてもおかしくない構造といえます。

今の補機部品(水を冷やす装置)やフィルターの精度も向上し、かなり耐久性は上がったので、オイル管理などしっかりメンテナンスすれば、軽自動車も20万キロは走ります。

車によってはオイルが減ってしまう個体もあるので、少なくとも半年に1度はエンジンオイルを点検する事で故障のリスクを回避できます。

 

エンジンオイルの交換頻度・期間

上記にも書いたように「いつ」交換するのか分からないという方がいらっしゃいましたが、基本的な時期・距離は「5,000キロもしくは6ヶ月毎」と言われています。

今の新しい技術の車は正直いろいろなエンジンの種類があるため、すべて上記に当てはまるかと言われるとそうではありません。

エンジンの性能が上がり、オイルの耐久性も伸びてきていますので、BMWなどの輸入車などは2万キロ無交換でも良い車もあるとか・・・

 

エンジンオイルの粘度

エンジンオイルには、粘度の種類があります。

極端にいえば、サラサラ血液か、ドロドロ血液か

人間でいえばもちろんサラサラ血液ですが、車の場合はエンジンによって適した硬さがあります。

詳細は車に取扱説明書が入っていると思うのですが、詳しくはそこに記載されています。

取扱説明書

取扱説明書

とはいえ、今の時代はネットで検索すれば割とすぐ出てきます。

車検証の型式と車種名で、ある程度絞ることもできるので、活用してみても良いかもしれません。

 

オイルの粘度は、SAE(アメリカ自動車技術者協会)の分類によって「10W-30」「0W-20」などと表されます。

読み方は、まず前半の数字が小さいほど低温で固まりにくい特性があります。

0Wなら零下35℃、5Wは零下30℃、10Wは零下25℃に対応しています。WはWinter(冬)の略で、10Wよりも5Wのほうがエンジン始動時における負荷が小さく、燃費も良くなります。

後半の数字は、高温時の粘度を表していて数字が高いほどオイルが固くなります。

 

ですので、クルマの使い方に応じてエンジンオイルを選ぶことも大切です。

 

例えば、高出力のスポーツカーやターボエンジン搭載車は5W-40などのオイルを、小排気量のクルマや日常走行が中心であれば、0W-20、5W-20といったオイルを使用するとエンジン内部の抵抗が低くなり、燃費数値は良くなる傾向にあります。

 

よく使用する粘度(硬さ)を紹介します。

・0Wー20    主にハイブリット車やアイドリングストップ車に使用されています

・5Wー20    低燃費車や上記車両

・0Wー30    一般的な車両アイドリングストップのない車が多い

・5Wー30    上記同様

・5Wー40    走行距離の多い車や年式がたっている車

・10Wー40   上記同様

 

エンジンオイルの規格

エンジンオイルには国際規格(グレード)があり、

グレードは、API規格とILSAC(GF-5)規格の2種類が設定されています。

 

API規格は、米国石油協会(API)とSAE、そしてアメリカ材料試験協会(ASTM)の三者が定める規格です。

この規格はガソリンエンジン車はS、ディーゼルエンジン車はCで始まりまり、後のアルファベットが進むほど性能が高くなります。

最近では省燃費性能を重視する傾向にあります。

現在はSN規格が流通していて、こちらもやはり省燃費性についての試験評価項目に重きが置かれているようです。

一方のILSAC(GF-5)規格は、日米の自動車工業会(ILSAC)が制定しているもので、API規格に省燃費性能を加えたものです。

最新のグレードはGF-5です。

 

ガソリン車

API規格

ILSAC規格

特徴

SA

 

運転条件がゆるやかなエンジンに使用可で、添加物を含んでいないオイル(ベースオイル)。

SB

 

最低レベルの添加物を配合したオイルで、かじり防止・酸化安定性の機能が改善されている。

SC

 

1964~67年型のガソリン車に満足して使用できる品質を持ち、デポジット防止性・磨耗防止性・サビ止め性腐食防止性が備わっている。

SD

 

1968~71年型のガソリン車に満足して使用できる品質を持ち、SCより高い品質レベルを備えている。

SE

 

1972~79年型のガソリン車に満足して使用できる品質を持ち、SDより高い品質レベルを備えている。

SF

 

1980年型以降の車に適応。酸化、高温デポジット(堆積物)、低温デポジット、サビ、腐食に対する優れた防止性能を発揮。

SG

 

1989年型以降の車に適応。SFの性能に加え、動弁系の耐摩耗性と酸化安定性が要求され、エンジン本体の長寿命化を果たす性能がある。

SH

GF-1

1993年型以降の車に対応。SGの性能に加え、スラッジ防止性、高温洗浄性に優れる。

SJ

GF-2

1996年型以降の車に適応。SHの性能を向上。さらに蒸発性、せん断安定性に優れる。

SL

GF-3

2001年度制定。SJに比べ、省燃費性の向上(CO2の削減)・排出ガスの浄化(CO、HC、NOxの排出削減)・オイル劣化防止性能の向上(廃油の削減・自然保護)があげられる。

SM

GF-4

2004年制定。SLに比べ、浄化性能・耐久性能・耐熱性・耐磨耗性に優れている。

SN

GF-5

2010年制定。SMに比べて、省燃費性能の持続性のさらなる向上や触媒保護性能を強化。

基本的にはSL(GF3)以上のものを使用する事をオススメします。

あまりにも安いものはその分グレードが低いといったものも多く、あまりオススメはできません。

 

ディーゼル車

ディーゼルエンジン車用オイルにおいて日本では、国産クリーンディーゼルエンジンに対応した独自のJASO規格が主流となっています。

よく使用されているものはDL-1です。

欧州車・輸入車などは独自のさらに細かく策定した基準のオイルもあり、注意が必要な車種もあります。

ディーゼル乗用車などで指定されているJASO「DL-1規格」と、ディーゼル・トラックなどで使用されているJASO「DH-2規格」、欧州車ディーゼル車、日産エクストレイルなどに指定されている「ACEA規格:C3」についてです。

※JASO:自動車技術会

※ACEA:欧州自動車工業会

 

最近のディーゼル車には、環境保護の為、黒煙(スス)を回収して燃やす装置がついており、従来のAPI規格CF、CF4などの規格では対応できなくなっています。

この装置のことを一般的にDPF(Diesel Particulate Filter :メーカーによっては、DPD、DPR。)と言います。

これらに対応するオイルの規格が、DL-1、DH-2、C3規格になりますが、これらの規格を見るときにポイントとなる項目が3点あります。

 

①硫酸灰分量:エンジンオイルが燃えた時に、燃えカスとしてDPFマフラー内に残り、あまり多いと目詰まりの原因となる成分です。

この目詰まりのことを考えると本来なら少ない方が良いのですが、オイルの清浄成分となっているため減らしすぎると今度はオイルライフにも影響してしまいます。

※現在は無灰清浄分散剤が使用されつつあります。清浄性を維持しながら、DPF目詰まりの原因となる灰分を持っていない清浄剤です。

 

②リン分:この成分は潤滑性能に関係しますが、多すぎるとオイル燃焼時に触媒の性能に悪影響を及ぼします。 減らしすぎると耐摩耗性が低下します。

 

③高温高せん断粘度:数値が大きいほど強い油膜となりますが粘度が上がる結果、燃費にも影響してきます。

欧州車の基準では、乗用車でも3.5以上を指定している場合が多く、省燃費よりエンジンの耐久性を重視している傾向があります。

 

以下それぞれ排気ガス浄化装置(DPF等)装着車に対応したオイルの規格ですが、内容が若干違います。

各規格の主な違いをみてみましょう。

 

■JASO DL-1規格

乗用車、小型トラック等の軽負荷ディーゼルエンジン用です。

省燃費性も考慮されています。

粘度は0W-30や、5W-30が多い。

 ・硫酸灰分:0.6%以下 :目の細かくて小さいDPFに対応した規格です。

 ・リン分:0.10%以下

 ・高温高せん断粘度:2.9以上 :省燃費性を重視し、C3と比較すると若干軟らかい粘度となっている。

 

■JASO DH-2規格

中型~大型トラックに採用されており、高負荷ディーゼルエンジン用です。

10W-30、10W-40がありますが、10W-30のラインナップが多いようです。

 ・硫酸灰分:1.0%±0.1 大型トラック等の大きなDPFマフラーを想定しています。

 ・リン分:0.12%以下

 ・高温高せん断粘度:2.9~3.5以上(15W-40においては3.7以上)

 

■ACEA C3規格

粘度は、5W-30、5W-40、10W-40等、かなり幅が広い。

 ・硫酸灰分:0.8%以下

 ・リン分:0.07~0.09%

 ・高温高せん断粘度:3.5以上

JASO規格と比較して粘度が高く設定されています。

欧州規格なだけあり、欧州車のクリーンディーゼルなどはこの規格のオイルが指定されている事が多い。

シトロエンのDSなどもこの規格オイルの指定です。

各自動車メーカーでは上記規格を前提にエンジンやDPFマフラーを設計しています。

 

 

上記のように、全ての規格に互換性はなく、DIYなどで交換する場合はやはり指定された規格を使用するのが、一番安全です。

エンジンオイルの種類  

エンジンオイル

エンジンオイル

エンジンオイルの規格や・粘度などを紹介しましたが、最後に配合の種類についてご紹介します。

この配合で、オイルの金額も結構違いが出るので、知っておいて損はない事だと思います。

 

1  鉱物油

鉱物油は原油を蒸留して精製された昔ながらのエンジンオイルです。

現在、一般的に一番普及しているベースオイルで価格が安い分、耐熱性能や酸化に弱いのが特徴です。

化学合成油に比べると分子構造にばらつきが多く、エンジンの始動性や燃費、維持などは劣りますが、

こまめに交換すればなんの支障もなく走行できるレベルの品質は維持されています。

 

2  部分合成油

部分合成油は鉱物油と化学合成油の混合オイルです。

その成分のほとんどは鉱物油ですが、鉱物油の特徴である酸化が早く劣化しやすい点や低温始動時など、鉱物油が苦手とする部分を化学合成油の成分で補うよう設計されています。

部分化学合成油の中の化学合成油の配合は20%以上と決められており、化学合成油の性能にどれだけ近づくことができるかが部分合成油のポイントとなります。

値段は化学合成油ほどではありませんが、毎日長距離走行する車や、高速道路に乗る機会が多い車におすすめのベースオイルです

 

3  化学合成油

原油に高度で複雑な過程を施して精製し、不純物を可能な限り排除した高純度のエンジンオイルを「化学合成油」または「100%化学合成油」と言います。

寒い時期でもエンジンの始動性が良く、耐熱性も高いのでオイルの劣化がしにくい上に、蒸発性も低いのでオイルがムダに蒸発することがないのも特徴です。

高性能、高品質ゆえに値段が高く、車をレースに使用する人かよほどの車好きな人でないと使用するには躊躇してしまう高級オイルでもあります。

 

上記のように配合率などが違う分値段に反映されるので、交換頻度や、車の乗り方などを踏まえ選ぶのが良いです。

 

ハイブリッド車・ロングライフのメーカー指定はエンジンオイルは劣化しにくい化学合成

アイドリングストップもついてない通勤でよく使う方は部分合成

5,000キロ毎、半年に一度は必ず換えるなら鉱物油

 

といった具合でしょうか、

普段ほとんど車は使わないような方は酸化が少ない化学合成でも良いですし、

使い方によってエンジンオイルもしっかり選べば、車の寿命もトラブルも少なく乗ることができます。

あとがき

今回はエンジンオイルについて詳しく解説していきましたがいかがだったでしょうか?

もちろんすべて理解しなくても大丈夫ですので、なんとなく「こんな感じなんだ」と思っていただければ幸いです。

いざオイルについて悩んだ時にまた少し読み返していただければより安心してオイルをチョイスできると思います。

エンジンオイル一つ説明するでも正直よくわかっていない修理工場もいますので、

せめて簡単な説明ができるかどうかは、確認しておいた方が良いかもしれませんね(*^^*)

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